福祉現場先進地視察

17日、社会福祉法人太陽の園後援会主催の福祉現場視察に参加しました。
まず、初めに訪問した先は社会福祉法人京都ライフサポート協会さんが運営する横手通り43番地「庵」内にあるフランス料理「レストラン庵樹」で昼食です。
食べることが大好きな私にとってまさに趣味と実益を兼ねた研修です。
場所は木津川市山城町にあり、名前の横手通り43番地はそのまんまの住所なのです。
美空ひばりさんの歌で「港街13番地」という歌がありましたがそれを想い出しました。
私も古い人間です（笑）
堤防沿いで大きな看板がないので少しわかりにくい場所にありますが、この並び一体が障がい者支援（施設入所支援）施設になっています。
このフランス料理店にも障がい者の人たちが働いています。

店内はシンプルで完全バリアフリー化されており、支援施設でのフレンチレストランは全国的にも珍しいと思います。
店内からの眺めは最高ですが、建物が建つ前はうっそうと生い茂る森のようだったそうです。

食事をする前に樋口理事長より施設内の説明がありました。
町有地を無償で提供してもらい、一万㎡の農地で有機野菜を栽培しここで使用される肉類を除くほとんどの食材はこの農園で栽培されたものだそうです。
パンも自家製ですごく美味しかったです。
コンセプトはありのままにあたり前に暮らすです
知的障がいのある人のための生活施設「庵」の10のコンセプトは
①完全分棟式によるユニット（５～６人単位）
②デイケアを分離し、場所も人も分けデイスタッフの厚い配置
③暮らしの営みがある毎日（プログラムで動かない）
④週末帰宅
⑤心地よいと感じられる空間
⑥臭いのしない施設（徹底した掃除）
⑦ローテーションのない勤務
⑧駅から徒歩圏内
⑨遮音性の高い良質な建物
⑩約７割の人が、最重度者・強度行動障がい者

とにかく既成概念をぶち破っての新しい可能性に対する挑戦は素晴らしいと思います。
福祉の先進地として世界に注目されるような日本であってほしいと思います。

料理の味は最高でした。
それもそのはず、シェフは元大阪ツインタワーのフレンチレストランで働いていた一流のシェフだそうで、店内のマナーも最高でした。
お昼のコース料理はフルコースで1600～2800円とかなり格安です。
この日の料理は2100円のコースでしたが前菜からスープ、肉料理、デザート、コーヒーまで付いていました。隠れた穴場でたまたまここを訪れた人はここが福祉施設だとは誰も気づかないそうです。
楽しく学べて美味しいランチを食べて大満足でした。

理事長の話によれば昼のお客さんは多いのですが夜の客が少ないのがネックだそうな。
夜のコースは料理の内容も変わりますが、少し昼より割高です。

次に訪れましたのは京都でもかなり大手の社会福祉法人南山城学園さんが運営されている高齢障がい者の住まい「煌（きらめき）」の見学です。

磯理事長より挨拶があり、立派な会議室で施設の概要説明を受けました。
南山城学園さんは在宅・相談支援から通所支援、居住支援まで幅広く運営されており、
基本理念は
●利用者様の尊厳を守り、幸福を追求する
●地域ニーズのパイオニア精神で取り組み、「共生・共助」の地域づくりに貢献する
●いつでもだれもが安心して利用できる福祉サービスを創造する

ただでさえ高齢者の入所は困難な状況ですが、ましてや重度の障がい者でしかも高齢となれば受け入れ先はさらに困難な状況です。
こういう行政や国の行き届かない部分を社会福祉法人が担ってくれている事に対し、本当に頭の下がる思いです。
４階の特別室はすべての部屋にトイレが付いていました。
２階、３階は４つのユニットに分かれた個室で現在特別室の一部をのぞいてほぼ満室状態です。
地元病院とも連携し、職員体制もし医師、看護士、介護職員、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、介護支援専門員、支援相談員など安心して暮らせます。
料金体系は部屋のグレードや収入にもよりますが、食事付きで10万円台～20万円まで、収入のない方には法人が負担する制度も創設しているそうです。

管理が行き届いていて廊下に目立つようなホコリが落ちていなく、掃除も行き届いており嫌な臭いもありませんでした。
見学した2つの施設で共通していることは常に利用者の立場になり、現状に即した福祉の新しい在り方を模索するパイオニア（開拓者）である事、それと施設内掃除の徹底です。
色々現場で学んだことを亀岡市政でも活かせるように頑張ります。

この後晩秋の平等院（世界遺産）を散策する予定でしたがあいにくの雨で中止（涙）
誰や、雨男、雨女は（笑）
土産物店で500円の茶団子を家族の土産に買って帰りました。
なぜかこの古めかしい人形が気になりおでこを撫ぜてあげました。
今日も１日いいことあるかな