おじいちゃんのおもちつき [こうちゃん日記]
ぼくはことしはねんがじょうをことしはいちまいもかきませんでした。
びょうきでにゅういんしていたおじいちゃんが、きょねんの12月に天国にたびだったからです。
おもちつきなんておめでたいきがするので、やめようかとおもいましたが、
まいとし12がつのおわりにおじいちゃんがおもちつきをしていたので
おじいちゃんがよろこんでくれるとおもったのでやろうきめました。
おじいちゃんはいきているときにおもちがだいすきでした。
やいていないおもちもへいきでボリボリかじっていました。
ぼくはおじいちゃんに「なんでおもちがすきなんや」ときいたことがあります。
おじいちゃんは「こどものころせんそうちゅうでたべものがないじだいに、
こっそりとかくれてトイレでかじったおもちのあじがわすれられなかったから」
とはなしてくれました。
おばあちゃんは、ことしはおもちつきはできないとおもっていたので、
ぼくがやるといえばあわてて納屋(なや)にしまってあった石うすをていねいにあらってくれました。
いもうとは、まきやおちばで火のみはりばんをしてくれました。
ひがくれてあっというまによるになりました。
まっくろなよるにあかいほのうが力つよくもえています。
そしてえんとつからしろいけむりがもくもくとまるでいきているようでした。
あわててあけるとうらしまたろうになるかもしれないとおもいましたが、
ぼくはまちきれずに中をみてしまいました。
ゆげのなかからあまいにおいがふゎ~としました。
「おじいちゃんのにおいだ」ぼくはそうおもいました。
「もうだいじょうぶ」とおばあちゃんがいいました。
おばあやんは、あついのでゴムのてぶくろをして
納屋まではこんでくれました。
べったんぺったん・・・
おもちがひっつかないようにいもうとが、
手にみずをつけてはしのほうをまんなかによせます。
いもうとのてがなれた手つきなのでおばあちゃんが
「おとなのてみたい」とかんしんしていました。
きねもおもちがひっつかないようにみずをつけるのですが、
けっこう重くてつかれます。
おとうさんがときどきかわってくれましたが、
げんきのいいのははじめだけです。
すぐに「ハイこうたい」といいました。
おもちのつぶがなくなるまでおなじことをくりかえします。
ぺったんぺったん・・・
おばあちゃんがうれしそうなかおをしてぼくたちをみていました。
できあがったおもちを、みんなでげんかんにもっていきました。
おもちのせいぞう工場にはやがわり。
さむさをわすれてむちゅうになっておもちをまるめました。
みるみるうちにできあがり。
おおきいのやちいさいのやばらばらでもたべたらいっしょ。
ちがっているからたのしいのです。
そんなのかんけいね~(笑)
あっといまにはこいっぱいになりました。
おじいちゃんはこのはこ4つもつくってました。
ぼくにはまねできません。
さいごにのこった大きいおもちをおじちゃんのためにみんなでまるめました。
おおきなおもちいっちょうあがり!
おじいちゃんよろこんでくれるかな?
ぼくはいつものように「できたで~」と大きなこえで仏さんにポンとおいてそれでおしまい。
べつにかなしくなんかありません。
なぜならおじいちゃんはぼくのこころのなかでいきつづけているのだから・・・
2010-01-06 07:21
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